そして、父親は性的に満たされず、うっぷんが溜まっていたことだろう。
父親のうっぷんは、妻が逃げ出した先である、小学生低学年の息子にむけられた。
父親からの冷たい攻撃的な態度は、こういうことだったのだと思う。

成人してからは、殆ど父親とも母親とも会っていない。会いたいとも思わない。
そんな父親の汚らしい性欲の結果、自分が生を受けたというのもおぞましいし、
父親の怒りの矛先が自分に向くように仕向けた母親の身勝手さも嫌だった。

母親の態度から、女性というのは性的なことを毛嫌いして、悍ましいものと認識しているという
ことしか理解できなかった。

だから、女性が行為で悦ぶものだということを知ったときには衝撃だったね。

子供のころ、やけに暗闇が怖かった。「幽霊」を見てしまうのが怖かったから。
今にして思えば、父親と母親の「行為」を見てしまうのを本能的に忌避していたんだろうと思う。

自分には姉がいるのだが、自分が風呂に入っていると、父親が着替え場所のカーテン越しにタオルを渡してきた、
そしてカーテンを開けた、ニタニタしながら。

「なーんだお前か」と、父親は落胆の顔になった。なんなんだこいつは。

父親は、娘である自分の姉が風呂場で着替えていると思い込んで、タオルを渡すという名目で着替えを覗こうとした訳だ。
しかし、そこに居たのは、その当時、中学生だった息子、つまり自分だったので落胆した訳だ。

何故、こんなことを書きたくなったのかはわからない。
自分の父親の嫌なこと、母親の嫌なことの真の原因について、いままで見ないフリをしていたけれど
どういう訳か、すんなりと答えが出てしまった。

自分が子供のころに怖がっていたもの、父親が酔って帰ってきたときに母親が不機嫌になって嫌がっていたこと。
父親と自分との仲が悪くて困っていたこと、これらは父親の性癖が、母親にとって耐えがたいものであることが理由ならば簡単に理解できる。

父親と母親とは見合い結婚だったそうだ。見合い結婚というのも、こういう性の不一致があるからよく考えたほうがいい。

だから母親から見合い結婚の話が来た時にはすぐさま断った。

見合い結婚みたいな、女性に対する押し付けで結婚するのとかはとにかく嫌だった。

こんな自分でもいいと言ってくれて、性的な面で受け容れてくれる女性を妻にしたかった。
学歴も職歴も収入も不問だった。

ただ、前の妻はレベルが低すぎた。
IQが２０違うと会話が成り立たないというが、
そうとうに会話レベルを落として噛んで含めるように話していたのだけど、
自分がはなしていた内容は何も理解していなかったらしい。
出会い系で浮気三昧で家を出て行った。

今の妻は、レベルを落とさなくても話を理解してくれる。
目に知識の光があるので話しやすくていい。