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転載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1284190606/


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関連記事:【前編】・【中編】・【後編



1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:36:46.24 ID:dXi1bY/U0
全ての漫画家志望に捧ぐ
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:37:42.68 ID:DBKRbCVV0
聞こうか
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7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:40:35.93 ID:dXi1bY/U0
スペック
男・フツメン
17歳まではごく普通の生活を送ってきた。
特に大それた短所も長所も無い感じ。
まさに「どこにでもいるようなごく普通の男」

人生の分岐点が訪れるのは17歳の夏。
進路希望表が配られた日のことだった。
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:43:52.49 ID:dXi1bY/U0
俺の高校は割と偏差値のいい高校だったが、
周囲の頭のよさに付いていくことに俺は限界を感じていた。
そこに俺の親友だった男に進路をどうするつもりかを相談してみた。

彼は「俺はミュージシャンになるぜ」と言った。


その迷い無き即答っぷりに…

俺はカッコイイと思った。
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:46:28.59 ID:dXi1bY/U0
「人生は一度きり、ならば好きなことを全力でやってみたい」
「退いて後悔するより、進んで後悔したい」
彼の口癖だったが、それまで何となくのレールに乗ってきた俺には新鮮な発想だった。

そして、俺も昔から大好きだった漫画家を真剣に目指すことを考え始めた。
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 16:53:11.98 ID:dXi1bY/U0
「漫画家になろうかな」と思ってから、成績が下がるまでの間は凄まじかった。
「漫画家に学歴は関係ない」というのが逃げの口実となり、
次の考査で一気に赤点連発。落第の一歩手前まで行きかけた。

高校をちゃんと卒業してから漫画を描き始めようと決めていたが、
あの成績では意味が無かったかも。

ともかく、高校は無事卒業できて、俺は漫画を見よう見真似で書き上げ、
S社に持ち込みに行った。
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:00:36.13 ID:dXi1bY/U0
S社で俺を受け持ってくれた編集さんは今振り返ると結構な敏腕編集だったのかもしれない。
一流少年誌の看板漫画の当時担当編集だった。
俺の原稿をとても字を追ってるとは思えないくらいのスピードで読み、
「君の原稿を読む義理は読者には無い」というようなことを言った。

俺は自信があったということもあり、その言葉一つ、その編集の厳しいテンションに
一気になえてしまった。
「金の卵がやってきた!これは即デビュー、次は連載用のネームを持ってきて」
くらいの反応を期待していたのだ。
今思うと本当に有り得ないことだけど、当時は本気でそうなると信じていた。

しかし、その時点ではまだ士気は折れていなかった。
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:00:41.81 ID:Ih9g91rE0
なんか夢のないバクマンみたいだな
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:04:53.03 ID:dXi1bY/U0
S社の編集の腕なのかもしれないが、けなされはしたけど俺の作品のいい所も挙げてくれて、
いい具合にやる気を促されたような気がした。

その作品は月例賞にまわされることになった。


発表日まで何も手につかないくらいにそわそわしたが、
結局「あと一歩」にも引っかからず落選。
これにも相当なショックを受けた。
今まで自信満々だったが、ここで初めて自分は天才ではないと思い知らされた。

そして、そんな中なんとか第二作目をかき上げ、同じ編集さんに見てもらうことになった。
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:10:22.02 ID:dXi1bY/U0
第二作目の持込のとき、その編集さんは1時間も遅刻した。
俺はいつ訪れるか分からない編集さんに失礼のないよう、
背筋を伸ばしたままで1時間待ち続けた。

一時間後訪れた編集さんは、大げさな仕草で事務的に謝罪し、
特に雑談も無く俺の原稿をめくり始めた。
相変わらずめくる速度が速い。

そして「これは賞に出しても絶対に引っかからないでしょう」と言った。
「え?」
「主人公にまったく感情移入できません。例えばここのvんヴぁいhbf」

そこから先はよく覚えていないが、とにかくこの作品は賞に出すことすら拒まれた。
2ヶ月掛けて仕上げた俺の第2作目は、預かってもらうことすら出来ずに
そのまま家へと持ち帰ることになったのだ。
帰りの電車の中、ものすごく惨めだった。

今のままではいけない!と思った。
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:15:01.46 ID:lwU26ZWk0
俺なんか「これで賞とるのは厳しいよね・・・;^^」って苦笑いされて送り返されたぞ
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:15:02.47 ID:dXi1bY/U0
次の作品をかき上げるのには半年以上かかった。
バイトで生活費を稼ぐのも楽じゃなかったし、
原稿も今まで以上に丁寧に仕上げた。
ネットや本屋で技術を学び、透視法、ケズリなどの技術も織り込ませた。

すると明らかに今までと違う、かなりいい原稿に仕上がった。
ストーリーは「金色のガッシュ」の亜流みたいな感じになってしまったが、
少年誌らしい自分の漫画に満足だった。

意気揚々とS社にカムバック。同じ編集さんに見てもらうことになった。
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:20:10.38 ID:dXi1bY/U0
反応は良かった。
今活躍している作家陣の新人時代と比べても遜色ないよ…とまで言ってくれた。
「これは賞に出しましょう」とも言ってくれた。

やった!!!!と思った。

それから賞の結果が出るまでの一ヶ月間、本当に幸せだった。
どれくらいの賞がもらえるのかがかなり気になった。
ちなみに漫画の賞はどこも大体同じような名前で、
大賞→準大賞→入選→準入選→佳作→奨励賞→期待賞→もう一歩
という格付け。
佳作をとれればデビューレベルなので、俺はその佳作に何とか食い込めないものかと願った。


しかし、結果は…もう一歩にすら名前がなかった。
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:22:09.57 ID:zn7hps0jP
なかなかおもしろい
このストーリーで漫画描けば
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:22:31.02 ID:DBKRbCVV0
鳥山明の新人時代のボツ原稿は1年で500枚だったと
WIKI先生が言っていたぞ
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:25:06.87 ID:dXi1bY/U0
信じられなかった。
何かの間違いかとも100回くらい思った。
しかし確認の電話を入れられるほどの度キョウもないため、
放心のまま一週間くらいを過ごした。

ここで俺は初めて将来に対して焦り始めた。
こんなニートに近いフリーターのような生活をしていて、
ものにならなかったらどうなるんだろう?

当然、こんな場合は我武者羅に漫画を描き続けるしかない。
でもクオリティを落とすわけにはいかないし、
やる気が加速につながらないのも作画のじれったいところだ。

結局バイトに追われながら次の作品が仕上がったのは8ヶ月以上も経ってからだった。
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:28:31.72 ID:dXi1bY/U0
しかし、俺はS社には連絡を入れられずにいた。
編集さんが俺のことを覚えているはずもないだろうし、
いよいよとなるとこの8ヶ月分の結晶が砕かれるのが怖くなったのだ。

そして俺は、別の出版社A社に持ち込むことにした。
S社に比べるとかなり格が落ちてしまうが、俺はとにかく結果が欲しかった。
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:29:22.56 ID:xoIVNlCY0
格w
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:32:57.64 ID:iekbMx1F0
もしマイナーかメジャーかで格がどうとか言っちゃってるならやっぱりお前はプロにならなくて良かったよ
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:31:29.55 ID:trVakFyt0
よく知らないけど、
こういうのって最初の会社がダメなら他の会社に持ち込むってのはダメなの?
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:32:03.35 ID:lwU26ZWk0
問題ない
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:32:06.75 ID:FylrE5zL0
普通なら一度に何社も掛け持ちするんだが
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:30:43.92 ID:P9bbnGj10
S社は分かるけどA社って何処だろう
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:32:48.05 ID:VpFbCIP+0
>>61
秋田書店じゃなイカ?
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:34:37.83 ID:txgRcc580
秋田かいwww
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:34:50.54 ID:Kl0+G8cZP
朝日ソノラマ(現 朝日新聞出版)かもしれんぞ
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:34:55.16 ID:dXi1bY/U0
A社の編集さんは恐ろしく優しかった。
志望雑誌のレベルを下げたこともあり、俺は初めてそこの賞で期待賞を獲った。

これは本当に嬉しかった。
受賞者は名前とカットが雑誌に掲載されるのだが、
その雑誌が発売される日は、近くのコンビニまで0時を回ってから、自分のカットをチェックしに行ったくらいだった。

その時点で俺の年齢は21歳。大学に行った奴らは3年生。
もうすぐ就職活動という時期。
順調に人生を歩き始める同級生。
この波にきちんと乗れれば、何とか彼らと肩を並べられるな…とか、
そういうことを思ってたのは今でも覚えている。

そして、それから先は一進一退の打ち合わせ。
ネーム段階から話し合いをして、賞に出すという時期が続いた。
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:39:53.25 ID:dXi1bY/U0
その時期は落ち込むこともあったが、やはり基本は楽しかった。
そして1年以上打ち合わせを繰り返した後、俺は終に佳作を獲ることに成功する。

人生最高の時だったと思う。

その報告を電話で受けた時には、喜びと安堵で涙が出そうになった。
これで俺の漫画人生は開ける!
次はいよいよ連載ネームを切れるんだ!

年は既に23歳になり、同い年の奴らは働き始めていたが、
何とか俺も社会人としてやっていけそうだ…と思った。

ここからが地獄の始まりだった。
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:40:39.87 ID:DBKRbCVV0
すでに開始から6年か
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:35:48.36 ID:cyq3ndM20
秋田書店て地元の本とか出すもんだと思ってたけど有名なの?
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:41:27.09 ID:iekbMx1F0
>>76
ブ/ラックジャックとかバカボンとか言えば分かりますか
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:44:55.92 ID:cyq3ndM20
>>81
さんくす。秋田の写真集みたいなの出したりなマイナーな所と思ってた
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:45:09.11 ID:dXi1bY/U0
連載ネームを切る作業は楽しかった。
特に今まで書いたことのない第2話、第3話を描くのが新鮮だった。
読みきりではキャラ数を減らせと言われるのが普通だが、
連載ではそうはいかない。
逆に魅力的なキャラクターをどんどん出していかなければ、物語は広がっていかない。

今まで溜めた欲求を晴らすかのごとく、
暖めてきたネタの全てをネームに込めた。

この作業にも半年はかかったと思う。
担当編集を通り、次に編集長に見せられることになった。
編集長がokサインを出せば、晴れて俺も連載作家、漫画家になれる!!


しかし、結果はボツだった。
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:49:27.62 ID:dXi1bY/U0
「漫画家はデビューするまでは簡単。デビューしてからの方が遥かに難しい」
というのは、その時点で結構耳にしていた。
しかし俺自身自分の連載用ネームにはかなりの自信があった。
波に乗っていたということもあり、編集長も通すだろうと思ってた。
しかし結果は惨敗。
このネームを手直しするとかじゃなくて、完全に沈めて新しい何かを描けとの事だった。


「このストーリーを描くために漫画家を目指したんだ!」と思えるほどのネームが完全にボツになったショックも冷めぬうちに「新しい何か」
俺は頭を捻った。
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:54:59.97 ID:dXi1bY/U0
新人にも旬というものがある。
近く行われた賞で授賞をした新人はやはり編集部からの注目度も高い。
記憶に新しいし、若さもある。
逆にくすぶり続けると、もうセンスが枯渇しているとか古いとか、
編集部内で飽きられてしまったりすることがあるそうだ。

俺が連載用ネームを切っている間にも、何人かの受賞者が生まれた。

俺は焦ってネームを切った。
しかし、俺が切れるネームは方向性が似ていて、そのネームは担当編集の時点でボツをくらった。

そんな中、俺と同じ時期に授賞した人の連載が決まった。
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:55:32.23 ID:DLWKYcXN0
それは焦らされる
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 17:56:29.43 ID:1ru5frz40
だから趣味を仕事にするとこうなるんだよ
仕事と趣味は別々にできるのにね
ラノベ作家とか副業の人が多いよ
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:02:25.26 ID:dXi1bY/U0
俺は負けたと思った。
でも悔しさよりは焦りの方が勝っていたと思う。

この時点で24歳。


気分転換に久しぶりに同級生と飲みに行った。
同級生は社会人2年目で、仕事が段々と板についてきた。
高校も割とレベルの高い高校だったため、皆良いところに就職できたようだ。
ちょっと前まではひたすら皆で牛丼食べていたのに、
今や良さげな店で洋酒を飲むようになっていた。
未だに1500円の服を着ているのは俺だけだった。

「それで、お前の漫画いつ読ませてくれるの?」
と友人は言った。


何も言えなかった。


それから半年掛けて、2回目の連載用ネームを編集長に提出する。
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:02:57.12 ID:P9bbnGj10
そうか、この年だともう連載とかとってる時期なんだもんな
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:04:18.59 ID:4m9Y4psm0
連載ってそんなに時間かかるんだ
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:05:10.49 ID:dXi1bY/U0
一週間から二週間は待たされただろうか。
担当編集から電話がかかってきた。


「俺君!あのネームだけどね、編集長ok出したよ!!」


マジか!!!???



遂にきた!!!!!
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:10:03.92 ID:dXi1bY/U0
やったぞ、遂に6年もの努力が実ったんだ。
もう25歳になるがおれはまだまだ若い!
これからだ!親父やお袋にも長いこと迷惑を掛けた。
親戚づきあいでも肩身の狭い思いをさせた。
友達に俺の授賞カットを自慢してくれた妹も、
これだけ俺がくすぶっていたんじゃ肩身が狭かったろうな。

これから挽回だ。


俺は仕事場はどこにするか、真剣に考え始め、
画材も大量に購入した。

そしてひたすら連載が決まるまでの間、先回りできそうな背景とかを書いたりして
連載開始日が伝えられるのを待った。
124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:14:01.84 ID:dXi1bY/U0
しかし、待てど暮らせど担当編集からの連絡はなかった。
一度連絡したが「もうちょっと待って」と言われ、
それから2週間〜3週間は連絡がなかった。
何度も連絡するのも気が引けるし、決まったら向こうから連絡がくるのは間違いないので
俺は「こういうものなのかな」と気長に待つことにした。

その間、お世話になった人に色々とメールとか電話をした。
皆「おめでとう」と言ってくれて、本当に心から喜んでくれた。


担当から連絡があったのは、更に2週間が経過した頃だった。
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:15:31.32 ID:dXi1bY/U0
「待たせちゃって、ごめんね。あの話だけどね、やっぱりダメになった」



え?



頭が真っ白になった。
130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:16:03.27 ID:Kl0+G8cZP
あるあるwww
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:16:27.35 ID:lwU26ZWk0
なん・・・だと・・・
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:19:11.38 ID:dXi1bY/U0
担当編集はその後、怒涛の謝罪か言い訳か事情を説明するかと思いきや
何も言わずにこちらの出方を待っていた。
完全に開き直っているような雰囲気が伝わってきた。
俺がどんなに何を言っても無駄だということがその態度で分かった。

俺は震える手で携帯電話を何とか持ち、「分かりました」とだけ言った。

ここでヤケになってはいけないと必死に言い聞かせ
「もう少し届きませんでしたね。今度はもっといいネームを書きます」と
担当編集に伝えた。向こうの反応は覚えていない。

143 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:20:40.42 ID:tkDysTLv0
大手にこだわらず中堅出版社とかもいけばよかったんじゃね
147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:22:26.46 ID:Kl0+G8cZP
>>143
中堅は即戦力しか取らんよ
148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:23:03.65 ID:glr5OCP20
>>143
集英社→秋田だぜ?
159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:25:48.45 ID:VpFbCIP+0
>>148
秋田は間違いなく大手
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:23:20.67 ID:dXi1bY/U0
「俺が漫画家になれないとは思わなかった」

…と一番最初に思った。
唐突に出てきた言葉だ。

そして次に両親のことが頭をよぎった。妹のことも。
何て言おう。友達には?
今まで大言壮語をかまし、平凡な人生なんてクソクラエとわめいていた俺は、
急にそのことが恥ずかしくなって、誰もいない部屋で丸くなった。

そして自分に残されたのは25歳・職歴なしという現実だけ。

完全に心が折れた。
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:24:22.85 ID:kk4psTQt0
>>149
こりゃ俺も押入れで体育座りするわ
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:24:31.08 ID:QfLO2S9PP
25歳職歴無しワロタwwwwwwww俺と同じwwwwwwwwww
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:25:19.36 ID:txgRcc580
まぁ画力と文才の両方要るからな
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:25:25.10 ID:glr5OCP20
まぁ絵をうまくかけるっての就職にめちゃくちゃ有利だと思うがな
164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:26:41.51 ID:QfLO2S9PP
デザイン画や建築系の絵が描ければ役に立つとは思うけど
漫画絵って大抵どれも中途半端で使い物にはならないんじゃないか?
161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:26:21.84 ID:lamLoDJG0
やっぱりこの世の中うまいことなんて行く人のほうが少ないんだな・・・。

162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:26:29.52 ID:I4LjHSLu0
人生を掛けるって、ギ*ンブルなんだな…
166 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:26:54.47 ID:5eAYbzj5P
もう一息なんだろうから
一端休んでまた頑張ればいいと思うのは
当事者じゃないから言える事か
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168 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:27:13.62 ID:dXi1bY/U0
すっかり戦意を失った俺は今からでも普通の人生は送れないだろうかと模索した。
だが、高卒、職歴なしの25歳が働ける環境なんてブ/ラックしかなかった。
そのブ/ラックですら必死に頑張って雇ってくれるかどうか…というような状況だった。

いつか一発当てて夢の印税生活…。そんな夢は遂に夢として消えてしまうのか…?


そんな中一本の電話が届いた。
169 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:27:27.87 ID:xQ5CpknLP
まぁ斬の人でさえ斬の連載持ったの25歳の時だからな
才能無いんだな
183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:32:22.25 ID:xN90f2Ls0
25歳で人生詰まなきゃいけない日本も終わってるけどな
172 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:28:24.44 ID:5eAYbzj5P
スレタイで成功しない事が確定してるから
次の展開読むのが一々怖いwwwwwww
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:29:35.43 ID:+IgPRP2d0
ざわ・・・ざわ・・・
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:32:02.13 ID:dXi1bY/U0
それは俺が7年間の漫画家志望生活を送ってきた中で出来た、数少ない漫画家志望友達だった。


「俺君さ、アシスタントやってみない?」



この一本の電話が俺を更なる破滅への道へといざなって行くことを俺はまだ知らなかった。


第2章アシスタント編へ

※遅くてすみません、思いつくまま書いてます。チラ裏と思ってのんびり見てやってください
188 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:34:09.89 ID:+IgPRP2d0
アシスタント編wktk
200 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:36:15.67 ID:dXi1bY/U0
その電話を受けたときに思い出した。
そういえば担当編集伝で編集長が漏らしていた不満点に、
俺の絵がとにかく未熟だと。

ストーリーに関しては及第点かもしれないが絵が…とのことだった。

もし俺の人生にこの先漫画界に、夢に、しがみつけるチャンスがあるというのなら、
もはやここしかない。
年齢的にも次の作品が最後のチャンスだ。
今のどうにも動けない状況を打破しなくては。

「やります」

俺はそう答えた。
209 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:41:34.02 ID:dXi1bY/U0
アシスタントについてはやりたがる人とやりたがらない人の二通りがいる。
理由は様々だが、俺は後者だった。
眠れないという話は有名だし、安いし、キツイ、緊張もするし、
漫画界での上下関係に巻き込まれるのが嫌でもあった。

別の理由に「アシスタントもせずに漫画家になった」という人への憧れもあったのかもしれない。


だが、そんな風に努力を放棄したツケは確実に遅過ぎるタイミングで回ってきた。
今がギリギリ取り戻せる最後のチャンス。

現場は2時間近くかかる場所にあった。
緊張しながら俺は先生の家のチャイムを押した。
215 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:46:32.60 ID:68j0bMqC0
アシスタントって普通は大変なものなのか
俺絵の経験もないし才能もないのにコネでアシスタントやったことあるけど
結構まったりした雰囲気だったぞ
217 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:47:15.57 ID:w5KlQV8I0
>>215
先生によるとしかいいようがないな
211 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:43:59.47 ID:CAulSuFt0
文章の書き方やストーリーの進め方はそんなに悪くない
むしろスラスラと読みやすく切り方もうまい
単に絵が下手なんじゃないのと思いたい
220 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:48:05.27 ID:zn7hps0jP
>>211
俺も思う…話の進め方は人をワクワクさせるツボを押さえてる

開き直ってこういうテンションで漫画描けばおもしろい物描けるかもよ
222 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:48:26.04 ID:dXi1bY/U0
「や〜どうもどうも」
T先生の風貌はかなりごつくて、漫画を書いている人とは無縁そうなビジュアルだった。
(※アルファベットは適当です)

先生の家には4人のアシスタントさんがいて、

Aさん・34歳・男・ヒゲが顔一周している。小太り。
Bさん・26歳・女・メガネで大人しそうに見えるけどすごく明るい
Cさん・26歳・男・痩せ型で有名大学出のインテリ
Dさん・33歳・男・でかくて茶髪。絵がすごい上手い

俺は5人目のレギュラーになった。
233 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:54:44.54 ID:dXi1bY/U0
先生が明るいせいか、現場は健康的でのびのびとした雰囲気だった。

現場に入ってまず思ったことが
「絵うめええええええええ!!!!!!」ということだ。
漫画家を目指し始めて一番の衝撃だった。
信じられないくらい線が細く、空間の奥行きがすごかった。
トーンで表現される立体感も常軌を逸していた。

雑誌で見るのと生の原稿はこうもちがうのかと思った。
俺が今まで頑張って仕上げて悦に浸っていたものはなんだったんだ?

簡単な背景を書いてみて、と言われたので、
持てる力の全てを注ぎ込んで学校の絵を描いたが、
明らかに線の太さがAさんたちのものとは異なり、
幼稚園児が描いた様な酷い絵に仕上がってしまった。

先生は俺の絵を見て失笑した。


そして、誰にでも出来る簡単なベタという黒く塗りつぶすだけの作業が俺の仕事になった。
234 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:56:16.70 ID:qxPumWSP0
週刊だと遅くても1日で19Pの下描きを完成させないといけない
絵に迷ってなんかいられない。続けるだけでもハードすぎるだろ

時間がなくても絵の質を下げられないしな
237 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:57:21.04 ID:4sX6x9fC0
自分より上手い人間が無数にいるってのを気付くのが遅すぎるwwww
241 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:59:01.59 ID:dXi1bY/U0
仕事が始まると誰も喋らなくなった。
明らかに空気が一変した。

俺も緊張感を持ってベタに集中する。
「×」印の付いた箇所を塗るだけの単純作業だったが、
「はみだしてはいけない」と思うとなかなか時間がかかる。

しばらくして別室から先生がアシ部屋に戻ってくる。


まだ一枚目のベタ作業に苦戦中の俺。



「え?どういうこと?なんでこんなに時間かかってるの?」


俺はドキリとした。
247 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:02:47.51 ID:dXi1bY/U0
「おいC!」と先生は若干声を荒げて言った。
Cさん「はい」
先生「お前ちゃんと新人に時間に対する意識教えたの?こんなペースじゃ仕事にならないよ」


俺の作業が遅いせいでCさんが先生から怒られた。
Cさんは「俺君、もっと手早く…、でも丁寧にね」と俺に言った。
俺は「すみません」と謝った。

この時、既に俺はこの現場の違和感にうすうす気付いていた。
248 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:03:52.03 ID:rkxnfu+W0
怖すぎワロタwwww
250 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:05:39.84 ID:CAulSuFt0
最初だから仕方ないだろと言いたいがやっぱり経験者として扱われるのか
厳しいな
252 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:06:33.21 ID:dXi1bY/U0
先生は豪快なルックスだったが、作業に関してはとてつもなく神経質だった。
ベタ一つにしてもはみ出しはもちろん、ヌリムラが許せず、塗り忘れにもかなり厳しかった。
そして一つ俺がミスをするごとにCさんが叱責された。


Cさんが叱責されるたびに現場には緊張が走った。
そんなことが初日のわずか一晩で何度も起きた。

段々と楽しい気分だったのが恐怖へと摩り替わっていった。
257 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:09:04.98 ID:HzqPrQXT0
「早く丁寧に」ってだいたいどの仕事でも言われるよな
胃が痛くなる
259 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:10:00.72 ID:+IgPRP2d0
Cかわいそうだな・・・ ってかブ/ラックすぎワロタwwwwwww
262 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:11:42.38 ID:dXi1bY/U0
先生は特にCさんを目の敵にしているような感じだった。
俺は新米だから仕方ない、だがCは違うだろ!みたいなことも何度も言われていた。

他のアシさんもみんな黙っていて特に助け舟を出すことはしなかった。
たまに先生に意見を求められるときには先生の味方になって、
一緒になってCさんを責め立てた。

俺は俺が起爆剤となりCさんが攻め込まれるという状況に居たたまれなくなった。
しかし、どうしたって最初ということもあり時間がかかってしまう。


そして、働き始めてから30時間がたとうかという頃に仕事が終わった。
266 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:14:23.97 ID:+IgPRP2d0
30時間wwwwwwwwwww
264 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:12:49.21 ID:AyMs3tGfO
軟禁だなwww
271 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:17:11.20 ID:dXi1bY/U0
それからというもの、先生のCさんに対する苛立ちは日を追うごとに酷くなっていった。
何かといえばCさんが怒られていた。
もちろん俺やAさん、Bさんが叱責されることもあるのだが、
とにかくCさんがターゲットになっているという感じだった。

Cさんの顔色は悪く、明らかに憔悴しているようだった。
「これミスってるよ」→「すみません」→「すみませんじゃないよ、なんでミスしたの?」
→「うっかりしていたとしか…」→「うっかりってなんだよ!緊張感持ってやってねえってのかよ!?」
→「そうじゃないです」→「じゃ、なんでミスったんだよ」
というようなやり取りが続き、酷いときには何時間も説教が続くこともあった。


俺もどんどんと心を悪くしていった。
272 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:18:29.84 ID:AyMs3tGfO
どんだけドS
282 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:37.22 ID:qRAG69Bl0
そんなメンタル弱けりゃ漫画家になんて絶対なれないよ
283 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:49.63 ID:dXi1bY/U0
Cさんの限界が近いことは誰の目にも明らかだった。
俺の目から見ても「ありえない」と思うようなミスを連発していった。
それに比例して先生の苛立ちも膨れ上がっていった。

「おめーは仕事したくねえのか!!?やめるか!!??」
と怒鳴られることも多くなっていった。
本心ではやめたいだろうが、先生に対する恐怖心が上回り
「いえ、頑張りたいと思ってます」と答えるだけだった。
285 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:22:42.84 ID:pQ8Oep0n0
怖い…
279 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:05.88 ID:qxPumWSP0
インテリ大卒を目の敵にしてるのか
294 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:27.68 ID:QfLO2S9PP
有名大どころか普通の大学出ているだけでも目の敵にする奴っているからな
288 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:23:31.87 ID:+IgPRP2d0
Cは普通に就職すればよかったのにな・・・
学歴あるんだし
290 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:23:47.77 ID:dXi1bY/U0
すまんが急な仕事落ち。
ダラダラなチラ裏に付き合ってくれてありがとう。


中途半端でゴメン。いつかまたノシ

※リンクは記事の投稿が完了次第、繋がるようになっております
関連記事:【前編】・【中編】・【後編



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みんなの反応

  1. 1 渡る世間の名無しさん 2018/04/17 22:56 id:.h5bcc8I0
    小説の練習か?
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